Grow Organic

生産者と畑とつながる服

Indian Pre Organic Cotton Project

Why Organic

なぜオーガニック
なのか?

Why Organic

なぜオーガニック
なのか?

オーガニックが良いとはわかりつつも
オーガニック農法の具体的なメリットや
生産者の抱える悩みは
案外知られていませんでした

農薬がもたらす影響

農薬を使った農法が
インドの農村へもたらした
さまざまな悪影響を紹介していきます

環境への悪影響

化学農薬や化学肥料は生産者の作業負担を軽減させ、収穫量を増やしますが、石油由来の素材から作られ、また製造時に多量のCO2を発し、環境にとって大きな負荷になります。気化した亜酸化窒素は大気中に拡散され温暖化を促す要因になります。そして化学物質は土に染み込み、地中の微生物や小動物による多様な生態系を壊します。

からだへの悪影響

農薬のボトルにはドクロマークと毒表示が描かれていますが、扱いがていねいとは言えません。農薬が撒かれた畑の傍に井戸がある場合、その井戸水は生活用水だけではなく、飲用水としても使用され、地中から滲み出した農薬を体内に摂取し健康被害が起きるケースが見受けられます。また農薬散布時に、農薬を直接触って肌を壊したり、直接吸い込んで体調が悪くなるケースが発生しています。

収入への悪影響

農薬を買うためには現金が必要ですが、貯蓄を持たない生産者は借金をして農薬を購入します。担保を持たない生産者は50%ほどの高利を払ってお金を借り、種と農薬を買って、収穫したコットンの販売代金から返します。つまり、2万ルピーを借り、コットンを効率よく生産し3万ルピーにして返します。自身のからだや自分たちの暮らす村の環境にダメージを与えながら、高い利子を払い続けているのです。

オーガニックの現状

からだや経済への悪影響はもちろん
環境への負荷も少ない
「オーガニックコットン」 という選択ですが
その生産量はごくわずかです

メリット①

そもそもポリエステル等の
化学繊維より、自然由来の素材
「コットン」の方が CO2 の
排出量は少ないとされています。

メリット②

一般的なコットン生産時の
温室効果ガスの排出量は
「オーガニックコットン」 の
約2倍の排出量になります。

メリット③

気候変動への対応のため
炭素を地中に留める農法や
農薬を使わない農法が
世界的にも推奨されています。

しかし…

オーガニックコットンは
実は業界全体のわずか

14%

さらにコットンは世界のあらゆる作物の耕作地面積の中でおよそ 2.5% の面積を保有し、さらに作物全体の16%の「殺虫剤」、そして6%以上の「農薬」が使用されていると報告されています。コットンの栽培は世界規模で見ても大量の「農薬」が使われているのがよくわかります。

つまり
オーガニックへの早急な
転換が求められています

プレオーガニック
コットンとは

Grow Organic が
支援のために買い支える3年間の移行期間綿
『プレオーガニックコットン』について

オーガニックへ移行する
生産者たちが抱える悩み

農薬を使ってきたコットン生産者が、オーガニックコットン生産者になるためには、認定されるまでに3年の間、無農薬でコットンの栽培を続ける「移行期間」が必要です。しかし、農薬や化学肥料を使用しないその期間は、作業の負担は増え、収量(収益)も一時的に下がってしまいます。多くの生産者がオーガニックへ移行できない大きな原因でした。

その3年間のコットンを
買い支えて支援する

そこで、わたしたちはその3年間の移行期間綿を「プレオーガニックコットン」と位置付け、買い支えることで、生産者がひとりでも多く「オーガニックな暮らし」に移行できるようサポートしています。つまりプレオーガニックコットンとは「オーガニックへの移行支援」という付加価値のあるコットンなのです。

支援」という付加価値を
ものがたり」として伝える

しかしプレオーガニックコットンを買い支え続けるには、洋服にして販路を広げ、販売へつなげなければいけません。

そこで Grow Organic では、「支援」という「付加価値」を「ものがたり」として消費者のみなさんへ伝えることに注目しました。デザインへのこだわりはもちろん、インドの村の営みや風景、現地の生産者の声、支援の内容や効果測定などのすべてが「ものがたり」という付加価値です。

コットン生産者側の課題

従来のコットン生産者が
オーガニックコットン農法へ
移行したいと思っても…

・害虫や栄養不良で収穫量が落ちることがある
・オーガニック農法(無農薬農法)の技術がない
・オーガニックの『認証制度』がわからない
・遺伝子組換えをしていない種が手に入らない
・軌道に乗るまでは、収入が減ってしまう

Grow Organic の提案

プレオーガニックコットンに
「支援」という付加価値をつけて
新たなマーケットを生み出す

・服のトレーサビリティを可視化する
・プレオーガニックコットン製品をつくる
・生産者とのコミュニケーションを行う
・生産地のものがたりを消費者に伝える
・支援の輪を広げて循環させる

生産者からのメッセージ

セメラ村とバンジパリ村で
オーガニックへの移行を目指す
生産者から届いた
メッセージを紹介します
※ 写真をタップすると全文が読めます

Gangadhar Meher
セメラ村

私は59歳です。2人の子どもと4人の孫がいます。コットン用として使用する殺虫剤は体に悪いですよ。具合が悪くなる。オーガニック農法は液体有機肥料を作ったり、虫の駆除に時間がかかるけれど、より良い質のコットンのものができる。それに農薬は値段が高いけど、オーガニック農法はお金をかけずに栽培ができるんだ。手間はかかるけど、結果的には安いよ。あとは収穫が天候次第で、雨によって収入が変わってしまうことが悩みだね。あとはこのセメラ村から病院が15kmも先にあることかな。

Roudrakshyar Meher
セメラ村

わたしは36歳で、両親と妻、兄妹、2人の子どもと暮らしています。家ではコットン以外に自分たち用に野菜を育てています。しかし『灌漑(かんがい)システム』がないので、雨が十分に降らない6ヶ月の間は市場から野菜を買わなければいけません。

NPO の『FFID』が村にくると、オーガニック農法を教えてくれたり、遺伝子組み換えをしていない種の供給を支援してくれました。うちにもコンポストができ、学校にコンピュータや教員の手配、水の設備もしてくれました。

わたしたちは『FFID』を通じて、日本のみなさんと長い関係性を作っていきたいです。この関係性が続くと、わたしたちのほかにも、多くの農家がオーガニックの活動に参加してくると思います。

Hemanta Majhi
セメラ村
オーガニック農法を導入する前は、農薬や化学肥料を使用していました。その当時は、畑の近くの草をヤギが食べて死亡してしまうのではないかという危険さえありました。

現在は、農薬や化学肥料を使わず、環境に優しいオーガニック農法を実践しています。その結果、安全に生活できるようになり、農薬を買うための費用も減少しました。これにより生活に必要なことにちゃんと使えるお金に余裕が生まれ、全体的な生活の質が向上しています。

Prabhakar Majhi
セメラ村

有機農業をはじめてから、コットンのクロップサイクルが大幅に改善されました。クロップサイクルとは、作物の播種から収穫までの期間を指します。通常、コットンは180日で収穫可能な作物ですが、今までは化学肥料を使用していたため160日で収穫できてしまいます。成長が早すぎると、予期しない天候や病気の影響を受けやすくなり、収穫量が減少してしまうという問題が生じていました。

オーガニック農法は大変ですが、自然に適した方法で栽培をすることによって、自然の恵みを最大限受け取ることができています。

Chitman tandi
セメラ村

一人ひとりがそれぞれ別々に無農薬でコットンを育てても、オーガニック認証や技術習得はできないし、もし収穫できたとしても販売時にちゃんと対価を交渉する力がありません。

だから、こうしてみんなで集まって、助け合いながら生産して、販売先を見つけていくことで、村のコミュニティの力は高まるし、オーガニック農法を通じて自給自足の健康的な生活を送れています。

なにより地域をよくしていこうという気持ちが集まることで、自分たちの力で地域をよくすることができると思っています。

遠い日本で、わたしたちが育てたコットンを使った服が作られ、着られているということは、農家としてとてもうれしいことです。

これまで仲介のバイヤーには適正な値段で買い取ってもらえないという問題があり困っていましたが、今回の Grow Organic によるプレオーガニックコットンのプログラムでは正当な価格でコットンが取引されるので、大変感謝しています。

長期的な関係を続けることが、いまのわたしたちの願いです。今後もオーガニック農法で高品質のコットンを栽培し続けたいと思います。

Tainsing gainta
バンジパリ村

遠い日本で、わたしたちが育てたコットンを使った服が作られ、着られているということは、農家としてとてもうれしいことです。これまで仲介のバイヤーには適正な値段で買い取ってもらえないという問題があり困っていましたが、今回の Grow Organic によるプレオーガニックコットンのプログラムでは正当な価格でコットンが取引されるので、大変感謝しています。

長期的な関係を続けることが、いまのわたしたちの願いです。今後もオーガニック農法で高品質のコットンを栽培し続けたいと思います。

プレオーガニックコットン
プロジェクトの軌跡

2007年
インド訪問。
オーガニック移行の大きなハードルを知り、
プレオーガニックコットンプログラムを
構想。
2008年
プレオーガニックコットンプログラムを
伊藤忠商事と開始。
2011年
グッドデザイン・サステナブルデザイン賞
(経済産業大臣賞)
2012年
国連開発計画(UNDP)主導の、
商業活動と持続可能な開発を実現する
ビジネスを促進する
世界的なイニシアティブ゙
「ビジネス行動要請(BCtA)」に承認
2024年
Grow Organic 開始。
第1弾として URBAN RESEARCH DOORS
とのコラボアイテムをリリース

プレオーガニックコットン
パートナー

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事 繊維カンパニー と Grow Organic を運営する
kurkku alternative は、2007年より
「プレオーガニックコットンプログラム」を共同事業として運営。
生産者管理、サプライチェーンの構築、
マーケットコミュニケーションを担当してきたパートナーです。